高校見聞録(仮)

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温風  

気付いたら登校日が手足の指で数えられるくらいになってる。

せみです。



20111212.jpg

冬が寒いのは、僕の頬に打ち付けられる突き刺すような冷たい風のせいだけではないように感じられた。僕の隣で吐かれた白い息が、少し恋しい。



「早く中へ。少しは暖かいよ」

「ありがとう。でも、この家って灯油が使えないんでしょう?」

「そうなんだ。マンションはそういうところに厳しいんだね」

「でも、こうすればあったか……」

「いや、ちょっと待って。大丈夫、これがあるから」



SN3J0239.jpg



「……なんなの?これは」

「これはデロンギという会社が出しているファンヒーターさ」

「灯油を使わないの?」

「そうさ、使うのは、電気だけ」

「私の家にもハロゲンヒーターがあるけど、結局部屋が暖まらなくてすぐに捨ててしまったわ」

「でも、このHCH6590EJは違うんだ。こいつは電熱線で温めた空気を放出してくれるから、部屋全体を温めることができるんだよ。炎を使わないから、空気が乾燥したり二酸化炭素の量が増えたりすることもないし、とってもクリーンなんだ。それに見てくれ、この青く光るディスプレイを。これは、温度表示さ」


SN3J0241_20111210213752.jpg


「ということは、灯油ストーブのように自動で部屋の温度を保ってくれるということ?」

「その通りさ。弱・強・オートの三種類のモードを選んで運転してくれる優れものさ」

「凄いわね。それに、デザインもスタイリッシュだわ」

「デロンギはイタリアの家電メーカーなんだ。『暮らしにイタリアのセンスと豊かさを』のキャッチコピーが示すとおり、デロンギはそのファッショナブルな外観とユーズフルな機能性を併せ持った様々な家電を発売しているよ」

「確かに、これはイタリア語かしら?」


SN3J0240.jpg


「左か順に英語、イタリア語、スペイン語だね。火災の原因にもなるから、温風の排出口を布で塞いだりしてはいけないよ」

「博識なのね」

「常識さ」




「でも、やっぱりまだ寒いわ」

「そうだね、僕もだ。何か物足りない」

「こうすれば、満たされるかしら?」

「……そうだね、とても暖かいよ」






こうして二人の夜は更けていく。

窮屈なベッドの上で揺れる影を見守りながら、HCH6590EJはいつまでも、部屋の温度を保ち続けていた……。






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